壁は“1人あたりの走行距離の長さ” 長距離に対応できるチーム作りが必要

 その思いの中で巡ってきた、自力で大舞台・箱根への出場をつかみ取るチャンス。しかし、関西から箱根を目指す道のりは険しいものです。本選出場の条件は、ハーフマラソンの距離21.0975kmを一斉に走り、上位10人の合計タイムで57校中13校に入ること。これまで立命館が参加した駅伝と比べると、箱根駅伝の予選会では1人あたりの走行距離が10km以上長くなります。関東以外の大学は長距離に対応できるチームを作らなければなりません。

 【大学三大駅伝】
 ・出雲駅伝:6区間 1区間の平均距離:7.5km
 ・全日本大学駅伝:8区間 1区間の平均距離:13.3km
 ・箱根駅伝:10区間 1区間の平均距離:21.7km(予選会もほぼ同じ距離)

 また、去年の予選会を突破した大学の選手のほとんどは10km走で30分を切りますが、立命館は山崎選手を含めわずか3人。関東の強豪校との実力の差は大きいものです。

「かなり練習が変わってくる」当初は参加に反対する意見も

 当初は参加に後ろ向きの意見も。主力のひとり、大森駿斗選手(21)も反対したといいます。

 (大森駿斗選手)「長距離っていうのは土台を作っていくんですけど、土台っていうのは1日2日でどうにかなるものでもないですし、やっぱり月単位とか年単位で見ていくものだと思います。箱根予選会の前に全日本インカレとかありますし、出雲駅伝とかもあって、そちらの方に注力すると考えたら、かなり練習が変わってくるので」

 それでも、話し合いの中で、突破できるかどうかではなく挑戦したい気持ちを大事にしようと“箱根参戦”を決めました。