深刻な経済悪化 軍事政権は何を?
将来への希望が失われた背景にあるのは、軍の弾圧だけではない。
深刻な経済の悪化だ。欧米による制裁の影響もあり、現地通貨チャットは大幅に下落。
物価の高騰も続いており、現地メディアによると、コメや野菜、食用油の価格はクーデター前と比べ、2倍から6倍になっているという。
マーケットを歩いていると、以前より食材などが値上がりしたという話をあちこちで聞いた。
露天商の女性:
「物価はとても高くなりました。石油は以前、1ビス(約1.6kg)あたり2500チャットだったのが、今では8500チャットです。でも賃金は上がっていません」

アジア開発銀行の推計によると、2022年のミャンマー貧困率は46.3%と2017年の24.8%から約2倍になった。
経済がひっ迫するにつれ、失業者も増えているという。市内に住む25歳の男性は建設関係の仕事をしていたが、クーデター後に職を失った。
ミャンマーへの投資をストップしたり、ヤンゴンの事業拠点から撤退したりする外国企業が相次ぎ、建設工事の仕事が激減してしまったそうだ。
元建設業の男性(25):
「クーデター以前は、仕事にも恵まれていましたが、今はすべてがうまくいっていません。クーデターが起きてからは、皆がお金の問題に直面しています。私も母との生活を維持するために何とか仕事を見つけようとしています。国民を助けようとしない軍が憎いです」

これだけ多くの人が苦しい生活を強いられているというのに、軍事政権は有効な対策を打ち出すわけでもなく、一体何をしているのか。 首都ネピドーで私たちが見たのは、軍が主導する巨大プロジェクトだった。