■意中の候補者に票を入れるには
では、同姓同名の候補がいる場合、投票用紙になんと書けばいいのだろうか。総務省に取材したところ、候補者名に続いて党名を書いた場合も「1票としてカウントされます」との回答があった。つまり立民の亀井氏に投票したい場合、たとえば「亀井あきこ 立憲民主党」、無所属の亀井氏に投票したい場合、たとえば「亀井あきこ 無所属」と記入すれば良かったということになる。総務省によれば、党名以外にも住所や年齢などを書き加えても、1票としてカウントされるという。
■「記号式投票」の導入は可能か
こうした課題を解決するための一つの方法として、立民の亀井氏は「記号式投票を導入すべきだ」と主張している。
記号式投票とは、「投票用紙に印刷された候補者名に、〇の印をつけて投票する」方式だ。海外では広く採用されているが、日本の国政選では実績がない。ただ、日本でも地方選では、これまでに5県の知事選、105の市区長選挙、113の町村長選挙などで実施されている(総務省調べ・2021年末時点)。
6月5日に投票があった千葉県・松戸市長選では、候補者名の欄に○印のスタンプを押したり、鉛筆などで○印を記入する方法が採用された(※投票日当日のみ)。松戸市選挙管理委員会は、「自書式と比べ、記号式の方が簡易に感じる人がいたのではないか」と指摘する一方、記号式投票では候補者名を印刷するため投票用紙のサイズが大きくなったなどの指摘もあったという。
いずれにせよ、「記号式投票」を国政選挙で行うためには、公職選挙法などの改正が必要だ。記号式投票への関心は高まりつつある。国会で本格的な議論が始まるか、注目したい。