東京都の小池知事がJNNの単独取材に応じ、今年1年を「コロナに明け暮れた」と振り返りました。再び感染が拡大している現状に対策はあるのでしょうか。

東京都 小池百合子 知事
「コロナに明け暮れた1年っていう一言で言えばそういうことかなと思います。でも中身は違いますよね。デルタからオミクロンに変わってきて、そして途中からワクチンの種類も変わってきて、いかに亡くなる方を抑えることが最重要じゃないかと」

今年を「コロナに明け暮れた1年」と話した小池知事。中でも重視したのが高齢者へ対応。介護などが必要な高齢患者向けに東京都が開いた臨時の医療施設がその1つです。

東京都 小池百合子 知事
「いかにしてその高齢者の方々に医療が行き届くようにするのか。こうした対策が重要だということがわかってました。高齢者は一般的に何らかの既往症を持つ方がどうしても多くなるわけです。高齢者の方々が感染して病院に入院されると結構長くかかってしまう。ましてや高齢施設におられる方々が感染するとケアをしてもらう場所がなかなか難しい。ですから、そこをどこの場所で、どういう人が、どういう形でやるのが一番命を守れるんだということでポイントになるなと。高齢者にもっと焦点を当てた方式にしたということは非常にプラスで、これは東京モデルといって、厚生労働省からも『他の地域にそういった方法を伝授してほしい』と依頼を受けたと聞いています」

一方で、小池知事は、病床使用率が55%を超えている現状について、政府が決定した新たなレベル分類に基づく「医療ひっ迫防止対策強化宣言」を「近いうちに出す考えは無い」ことを明らかにしました。

東京都 小池百合子 知事
「最近はインフルエンザが少し出てきて、恐れているツインデミックがどこまで広がるのか懸念されるところです。いろいろ調整しながらやっておりますので、(宣言を出すか)今日明日どうするっていうところには至っておりません。専門の先生方に聞きながら、また実際の医療現場と連絡連携をとりながら決めるべきことだと思っています」

新型コロナ対策を中心に進んだ今年1年。最後に「来年はどんな年にしたいですか」と尋ねました。

東京都 小池百合子 知事
「ロシアのウクライナ侵攻ということに端を発して、日本のエネルギー危機を感じざるを得なかった。夏と冬にはエネルギー危機だということで、皆さんには『HTT』ということで、電力を『減らす(H)、創る(T)、蓄める(T)』でお願いをしているところです。ある意味、今年は『ショックの年』だったと思う。円安のショックもしかり、エネルギーショックもしかり、コロナのショックもしかり。それを『ああまただ』と言わずに、皆さんここは工夫をして、スタートアップ(新しい事業)や方法を考える。たとえば、水素を活用したエネルギーでこういった形で提供ができますなど、そういうスタートアップにとってはベストタイミングだと思うんですね。70年代のオイルショックの頃に『ハイブリッドカー』が一気に開発を前に進めたり、太陽光パネルがさらに研究を重ねて、そこから爆発的に進んでいくようなそういうタイミングじゃないでしょうか? ぜひとも若い皆さん、そしてシニアの皆さんも、ここはこれまで培われてきた経験とチャンスを生かしながら新たなスタートアップをぜひスタートさせてもらいたい。東京都としてその応援をしていきたいと思っています」