7月10日に投開票を迎える参院選。有権者は、2枚の投票用紙に記入することができる。「選挙区選挙」では選挙区の候補者名を書き、「比例代表選挙」では、政党名もしくは比例代表の候補者名を書く。

今回の参院選で、ある“混乱”が懸念されている。立憲民主党と国民民主党が、略称を同じ「民主党」で届け出ているからだ。

■「民主党」略称で生じた大量の按分 今回の選挙でも

去年10月の衆院選でも、立憲民主党と国民民主党が比例代表の略称として「民主党」を用いた。総務省によると、「民主党」と記入された票はおよそ362万票にのぼり、そのうち立憲民主党に296万票(約82%)、国民民主党に67万票(約18%)が按分された。

参院選を前に立民、国民の幹事長間で協議が行われたが、決裂。結局、今回の参院選でも両党が略称「民主党」を使うことになり、再び大量の按分票が発生する見通しだ。

とはいえ、この場合、党名を略称ではなく正式名称を記入すれば、按分を避けることができる。では選挙区で、同姓同名の候補が現れた場合はどうなるのか。

■「かめいあきこ」氏が2人立候補・・・衆院選で起きたこと

“同姓同名”候補問題は、実際に去年の衆院選で発生した。

島根1区では、自民党の細田博之氏と立憲民主党の亀井亜紀子氏が出馬を予定していた。そこに公示日直前に突如、無所属の亀井彰子氏が立候補したのである。

2人の「かめいあきこ」が出馬することになり、立民の亀井氏は急きょ、対応を迫られることになった。

立民の亀井氏によると、公示日直前まで「亀井あきこ」のポスターを製作していたが、無所属の亀井氏と区別がつくよう、「あきこ」を漢字に変更し、「かめい亜紀子」の表記で全て刷り直す事態になった。また、選挙はがきの作り直しは間に合わず、上から「かめい亜紀子」のシールを貼って対応することとなった。

さらに、視覚障がい者の点字投票では区別がつかないという問題点も、同時に明るみとなった。点字で表現できるのは「50音」のため、漢字の違いを区別できないのである。

亀井氏は2007年から「亀井あきこ」の表記で、選挙ポスターを含め自身をアピールしてきた。そのため、“アイデンティティ”ともいえる表記の変更は大きな痛手。選挙戦ではやむを得ず、「同姓同名の候補者がいる」という注意喚起に時間を割くことになった。

衆院選の結果、立民の亀井亜紀子氏は6万6847.067票、無所属の亀井彰子氏は4318.908票で、いずれも敗れた。2人の亀井氏の得票には、それぞれ「かめいあきこ」「亀井あきこ」など、按分となった票が含まれている。

島根県選挙管理委員会によると、按分票となったのは3266票。そのうち立民の亀井氏に3059.067票、無所属の亀井氏に206.908票が振り分けられた(0.025票分は切り捨て)。立民の亀井氏は「どれだけ普段の活動に励み、街頭演説をしても、有権者が投票用紙に”亀井あきこ”と書いてしまったら元も子もありません」と訴える。