今年は強かった猛虎・阪神タイガースでしたが、そのトラの本物が「あなたの家の裏山に放たれています」と言われたらどうしますか。そういうことが1979年に千葉県君津市で現実に起きました。のべ7550人を動員したトラ確保作戦は、どのような結末を迎えたのでしょうか。
(アーカイブマネジメント部 疋田 智)
ベンガルトラ2頭逃走
ときは1979年。千葉県君津市の鹿野山にある「神野寺」から、トラ3頭が脱走しました。1頭のトラはすぐに檻に戻りましたが、残りの2頭はそのまま行方不明に。
猛獣の脱走はすぐに地元住民に広報され、当然ながら住民は震え上がりました。

逃げたトラは体長1.5メートル、100kg以上のベンガルトラ2頭、まだ1歳の子トラですが、人に危害を加えるには十分です。
神野寺ではその頃10種類の動物を飼育しており、トラも12頭飼育していました。猛獣を飼うのに許可が要らなかった時代でした。

警察は地元対策本部を設置して500人を動員しました。
そこに消防団、地元猟友会が加勢し、トラ確保大作戦が展開されました。
