トラはまだ生きている

10日目、民家の裏庭でトラが発見されました。そのときの貴重な映像がこれ。

民家の裏庭で撮られた映像。赤い円内がトラの顔(正面)です。

その後も、水道の水を飲んでいた、などの目撃証言が相次ぎました。トラはまちがいなくどこかにいるのです。
地元猟友会はボランティア組織を組み、捜索活動を再開しました。

トラの足跡をたどったことが最終的に発見につながったといいます。

トラ脱走から26日目。
住宅地でペットの犬がトラらしき動物にに食い殺されたとの通報がありました。
トラは飢えて獲物を狙っているのはほぼ確実。急がねばなりません。
千葉県警・射撃の達人ばかりで結成した「トラ捜索選抜隊」と、猟友会員が合同で山中を捜索しました。
そして同日午後、つまり1979年の8月28日午後。ほぼ1か月逃げ続けたオスのトラもついに射殺されたのです。

住民にとっての「長く暑い夏」がようやく終わった瞬間でした。

トラ確保のために投じられた人員はのべ7550人。
その後、神野寺の動物たちは動物園などに引き取られることになり、国は危険動物の飼育の規制強化に乗り出しました。

環境省はこの事件を受けて各都道府県知事に対し「猛獣などの危険動物の飼育・保管に関する条例」の制定を促し、全国で猛獣の飼育に関する条例が施行されたのです。