近畿地方は活断層が集中『直下型地震』への警戒が必要

そして、GPSのデータ解析でひずみがたまっているとされる近畿地方。能登半島と同様に警戒すべき場所なのだ。
27年前に阪神・淡路大震災を引き起こしたのは、兵庫県の淡路島から阪神間に伸びる「野島断層」という1本の活断層だった。近畿地方には「地震の巣」と呼ばれるほど活断層が集まっていて、地盤のひずみがいま、こうした活断層などを動かそうとしているのだ。

海側のプレートが陸側のプレートを引き込み、たまったひずみが解放されたときに発生する南海トラフ地震。発生が近づくいま、特に西日本は活断層などが動くことで起きる「直下型地震」への警戒が必要だという。
(京都大学・防災研究所 西村卓也准教授)
「近畿の地震というのは南海トラフ地震の前50年から、あと10年くらいに増えるという。そういう傾向がありますので。まさにこれからが活動期に入ってきている、そういう状況なんだろうと思います」

1946年12月に発生した『昭和の南海地震』の際も、その前後に西日本では直下型地震が相次いで発生した。
1925年5月には兵庫県北部を震源とした「但馬地震」が発生。また、1927年3月には京都府北部を震源とした「北丹後地震」が発生。さらに、1943年9月に鳥取県西部を震源とした「鳥取地震」などが起きていた。

そして近畿地方の地盤にも、いま新たにひずみがたまってきている証拠があるという。それは4年前の2018年に起きた「大阪北部地震」だ。
(京都大学・防災研究所 西村卓也准教授)
「2018年の前のデータでみても、やっぱりひずみのたまり方が周辺よりも高い場所でしたので。ああいう地震が起こるというのは、ある程度ひずみがたまりやすい場所で起こったということがいえるんじゃないかなと思います。主要な断層は当然、近畿の場合もいっぱいあるのですが、そういう主要な所以外のちょっとしたところでも、M6クラスであれば起こりえますので。ある意味どこで起こってもおかしくない」
発生までにすでにカウントダウンに入ったといわれる「南海トラフ地震」。その備えとともに、私たちは活断層による直下型地震への準備も決して怠ってはならない。
(2022年1月12日放送「よんチャンTV]より)