「プログラミング的思考」は家事にも通ずる!?

多くの方は『ある目的を達成するための最も効率の良い手段を論理的に導き出す思考』を自然にしているのだと松林さんは話します。それは、家事です。

「どうすれば効率よく家事を終わらせることができるか」「洗濯機を回している間に掃除機をかけよう」など、時間のない中で工夫することが多々あるかと思います。このような日常で当たり前にやっている家事への考え方が、実は『プログラミング的思考』と近しいものだというのです。

ーー家事って普段当たり前にやっている事ですよね、それが『プログラミング的思考』と近しいもの、というのは一体どういうことなんでしょう?

「いろんなことを考えながら取捨選択をして、回数を重ねよりいいものにする。時間のない中で夕飯を作ることが多いと、『限られた時間の中でどうやって夕食を作るか』を考えますよね。例えば、今夜は肉じゃがにしようと思ったとして、煮てる間に片付けをするとか、確実にうまく味付けできるめんつゆを使うなどの応用をしたり。肉じゃが作り方は効率化されているはずです」

ーーあまり意識したことはないですが、いつも時間に追われていて、必死でいろんなことを考えているような気はします。これもプログラミング的思考ですか?!

「自分の与えられた条件の中で効率化をする。プログラミング的思考の定義である、ある目的=『肉じゃがを作る』ために最も効率の良い手段を自然に導き出しているんです。これも立派なプログラミング的思考です」

ーーま、まさかそこが脚光を浴びるとは思いませんでした。でも、子どもにどうやって教えたらいいのでしょうか?

「先ほどの『肉じゃがを作る』という時、例えばお手伝いをしてもらいながら、調理行程の一連の動作を言語化して、子どもに聞かせる、という方法もあります。

まず具材を切りましょうね、具材を炒めましょうね、煮込む間にお皿を洗って、という自分がやってる工程をちょっと声に出してみる。聞いている子どもは、親が家事でどのような順序で、どう効率よく動いているのかを学ぶことができます」