学校教育にも組み込まれているプログラミング教育。パソコンに向かって何やらカチカチするものだと思っていませんか?実は子どもが学んでいることは、みなさんの想像とはかなり違うものかもしれません。そして、もしかすると、あなたこそ最高の先生の可能性が…。

そもそも「プログラミング的思考」ってなに?

文部科学省がプログラミング教育のねらいの一つとして出しているのが、「プログラミング的思考を育む」というもの。

子ども向けプログラミング講座や、保護者や教員向けのセミナーを多数行うデジタル教育者の松林弘治さんは「プログラミング的思考を育む」ことは、家でもそう難しいことではないと話します。

ーー「プログラミング的思考」と言われると、イメージとしてはパソコンに向かって一生懸命タイピングしていたり、プログラムを組んだりする思考でしょうか?
 
「そうではありません。プログラミング的思考をわかりやすく簡単にいうと、『ある目的を達成するための手段を論理的に考えて導き出す思考』といえます。例えば『最も効率のよい方法』などですね。ですので、パソコンの有無に関わらず、このような思考法は日常にあるものなんです。

そもそも『プログラミング』とは、コンピュータに『もし人間がこんな操作をしてきたらこうやって動きなさい』という一連の指示を整理して、コンピュータにわかる言葉で書き直す行為です。そのプログラムを書くまでに、あるいは書きながら、エンジニアはいろいろ考えるわけです。

その思考法は、例えば論理的思考や科学的思考にも重なるもので、子どもにも教えたい思考法でもあるので、日本ではたまたま『プログラミング教育』の文脈で『プログラミング的思考』と名付けられたわけです」

自分がやりたいことを実現するために、道具や方法をどう組み合わせたらいいのか考える。このような『プログラミング的思考』は、実は私たちが普段やっていることにも深い関わりがあるそうなんです。