手足のしびれや感覚障害、耳鳴りなどに苦しむ原告ら 文字を書けず“指をケガしている”と嘘…

裁判の原告は、1940~60年代に熊本県と鹿児島県の八代海一円に住み、その後、集団就職などで近畿圏等に移住した男女128人。その約3割は、特措法の救済措置を申請したが対象と認められなかった人。約7割は情報不足などで期限までに申請を行えなかった人たちだ。

原告は、激しいけいれんといった“劇症型”の症状ではなく、手足のしびれや感覚障害といった“慢性的”な症状に苦しめられている。大阪府内に住む前田芳枝さん(74)は、手のふるえや感覚障害などに長年苦しんできた。

「『指をケガしているからペンが持てないんよ、だから悪いけど書いて』と、嘘を言って人に書いてもらう。つらかったですよ、嘘までついて。そう言わざるを得ない人生で今まで来たわけなんです」