お腹の赤ちゃんと「一緒に消えよう」と考えた
取材で出会ったのがこの2人。あいさん(仮名・18)といおりさん(仮名・26)。

あいさん(仮名・18)
「ここに来て変わりました。『1人じゃないよ』と言ってくれる人がいて、生きなきゃと思った」
18歳のあいさん。1年程前、すでに離れた相手との妊娠が分かりましたが親の助けは得られませんでした。
あいさん(仮名・18)
「お母さんが働かなくて、お金を貸してというのが多くて…今ではもう20万円以上貸している、2人で暮らしていたときも私の財布から勝手に(お金を)取られた。ギャンブルとかタバコ、あとネット通販で(お金を)多分使っている。」「関係を切るしかないかなと思って、電話番号も変えて、次住む場所も伝えないという決断に至った」

区役所で生活保護の手続きを受けた際、ここを紹介されましたが、それまで行くあてもなく、思い詰めていたと話します。
あいさん(仮名・18)
「私自身誰一人の支えも無いのだろうなと思って(おなかの赤ちゃんと)一緒に消えようかなと」
誰にも相談できなかった妊婦が、生まれた赤ちゃんを遺棄したり殺害したりする事件は後を絶ちません。「0歳0ヶ月0日」死亡。生まれたその日に亡くなったことを意味しています。

国の調査では、児童虐待の死亡事例のうちおよそ2割は「0歳0ヶ月0日」で赤ちゃんが死亡しています。誰かの助けさえあれば、救われていたかもしれない命です。これについてあいさんは…。
あいさん(仮名・18)
「(気持ちが)わからなくもないなと思いました。自分ももし誰も相談できる人がいなかったら悪い道にいっていたかもしれない」
シンシアさん
Q(あいさんが)来たときのことって覚えていますか。
「すごく若くて、人間が嫌いだった。ここに来て…気持ちがはっきり変わりました。」
当時すでにここに入居していた、自分と同じ立場の女性と一緒に暮らす中で、産むことをポジティブに考えられるようになったといいます。