新米の時期がやってきました。忙しい生活の中では、少しでも時短にしたくて洗わないで利用できる『無洗米』を重宝している人も多いかもしれません。実は、ちょっとしたことで、無洗米の炊きあがりがより美味しくなることをご存じでしょうか?意外に知られていない、精白米との炊き方の違いを取材しました。
無洗米は“水を増やして”炊飯するほうがいい
スーパーに並ぶお米の数々。棚で『無洗米』を見かけることが多くなったように感じます。値段は精白米よりも少し高いことが多いですが、洗う手間が省けることから、忙しい人を中心に安定した人気ぶりです。
筆者も無洗米を利用している一人。仕事を終えて帰宅すると、いつも空腹はマックス。一秒でも早くご飯を食べたいと、無洗米で急いで炊飯しています。
しかし、最近あることに気づきました…。これまでは、何も考えず炊飯器の炊飯ボタンを押すのみだったのですが、メニューには「無洗米炊飯」という選択ボタンがあるではないですか。また計量カップを見ると、精白米とは別に無洗米の計量の印が表記されています。
あれ、無洗米って精白米と炊飯の仕方が違うの?
日本で唯一無洗米の審査をしている機関「特定非営利活動法人 全国無洗米協会」と、世界で初めて無洗米を開発した「東洋ライス株式会社」にきいてみました。
ーー無洗米を精白米と同じように炊飯してきたんですが、炊飯の仕方は違うんでしょうか?

全国無洗米協会 事務局 高野江由架里さん
「大きな問題になるというわけではないのですが、より美味しく食べていただくためには、精白米と大きく二つの点で違います。一つは、水加減です」
ーー水の量が違うんですか?
全国無洗米協会 事務局 高野江由架里さん
「精白米と同じ水加減で炊いてしまうと、どうしても水の割合が少なくなってしまいますので、硬くなったりすることがあります。ですので、水を増やして炊飯するほうがいいんです」

ーーなぜ精白米より水が必要なんでしょうか?
全国無洗米協会 事務局 高野江由架里さん
「無洗米は肌ヌカというものをあらかじめ工場で取り除いております。対して、精白米は肌ヌカがお米の周りに残っている状態なんですね。精白米を研ぎ洗いするのは、この肌ヌカをとるためなんです。ですので、炊飯器に入れた状態で比べると、無洗米と、肌ヌカがとれた精白米では、だいたい3%〜5%くらいお米の量が変わるんです。
つまり、同じ計量カップで測ると、無洗米は精白米より炊飯するお米の量が多くなるんですね。ですのでその分を加味して、精白米と同じ計量なら水を増やす必要があります」
ーーなるほど、確かにこれまで少しぱさぱさする気がしていたのは、水加減に原因があったのかもしれませんね。
全国無洗米協会 事務局 高野江由架里さん
「水加減もそうですが、もう一つの違いが浸漬です。つまり、水に浸けて、必要な水分を吸収させることです」
ーーえ、すぐ炊飯しないほうがいいのですか?