社長に就任早々、新型コロナで試合ができず興行収入ゼロに!
―――社長になってからいろいろと新しいことを手掛けられていますよね?
ガンバ大阪としては去年10月が30周年だったんですよ。もう一度、新たなガンバ大阪を作るためにみんなで一歩踏み出そうといろいろな改革をしました。そのひとつがエンブレムの変更です。黒い枠はゴールをイメージしていて、栄光を目指すっていう意味合いがあります。下の青のラインは青い炎を意識していまして、ガンバ大阪は青と黒というチームを象徴するカラーがあるんですけど「青い炎の熱狂を生み出す」という意味合いと、あと青のラインはハートをイメージしていまして、みなさんの中心でありたいっていう思いを形にしました。
―――社長になってから一番、大きな決断は?
2020年の4月に社長になったんですが、ちょうど新型コロナが始まった年で、全てのスポーツ事業が止まったんです。Jリーグも開幕戦を1試合やって全部止まったんですよ。7月まで興行収入がゼロですから。そして2021年度のキャンプが終わって、いよいよシーズンスタートだという時にうちの選手から陽性者が何人かでたんです。ちょうど、いまでも覚えていますけど「名古屋グランパスエイト」の試合の日で私が車でアウェイの試合に向かって移動中の時に「陽性者がでました」という連絡が入ったんです。結局、複数の陽性者が出たので、試合をどうするかということになりました。
―――選手を変えれば、試合はできますからね。
そうなんです。18歳以下で下部組織に所属しながらJリーグの公式戦に出場できる2種登録の選手だとか高校生とかを使ってもいいというルールが当時あったんですけど、ここで決行して結局、家族も不安がっているし、やはり安心・安全を最優先にすべきだということで、移動中に前チェアマンの村井チェアマンに直接、電話をして相手チームのクラブの社長にも電話して、試合の1時間半前に中止を決断したんです。お客さまはもうスタジアムに入っているんですよ。当日にお客さまが入っている試合を止めるということは、大変な迷惑をおかけすることなんですが、本当に相手チームにも迷惑かけましたし、もう本当に大変な経験をさせていただきましたね。