米紙ニューヨーク・タイムズは8月6日、ロシアのペスコフ大統領報道官が「プーチン大統領は来年、得票率90%以上で再選されるだろう」と述べたと伝えた。

プーチン大統領が“圧勝”で再選されると、民意を気にせず戦争を継続できるようになり、兵力を補うための追加動員令も出せる。

しかし、かつてプーチン氏のスピーチライターを務め、今も政府の内部事情に詳しい政治評論家、アッバス・ガリャモフ氏はBS-TBS『報道1930』とのインタビューで「プーチンの本当の支持率は政府が公表している数値よりもはるかに低い。30%ぐらいだと思う」と指摘した。

アッバス・ガリャモフ氏

2011年12月の下院選挙では、大規模な票操作が行われたとして、ロシア全土に反政府デモが吹き荒れ、翌年3月の大統領選の際も、激しい抗議活動が続いたが、プーチン体制を支えるエリート層や軍人は、見て見ぬふりをした。

ガリャモフ氏は「今回はウクライナの戦況や欧米の制裁を受けた経済が改善しない限り、エリート層や軍人の不満は高まる」とし、大統領選の前後に「新たな政変の可能性はある」と主張する。

一方で、プーチン氏が大統領選の際に、誰を「首相候補」にするのかも注目されている。

大統領が職務執行不能に陥った場合、大統領代行に就任するのは首相で、後継者になる可能性があるからだ。

現職のミシュスチン首相は、テクノクラート(技術官僚)で支持率も高いが、独立系メディアは、クレムリン内のシロヴィキ(軍・治安機関関係者)の代表格であるパトルシェフ国家安全保障会議書記が、長男のドミトリー・パトルシェフ農相を、プーチン氏の後継者に推していると報じている。

パトルシェフ国家安全保障会議書記