100本以上の電波を一気に出して観測

 従来のパラボラ型の気象レーダは、1つのアンテナを1回1回、角度を変えながら回転させることで、立体的な観測を行います。
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 これに対して、フェーズドアレイ気象レーダは、100本以上の電波を一気に出すため、1回転するだけで立体的な観測が可能に。半径60km・高さ15kmの範囲をすき間なく捉えることができるのです。積乱雲を観測する時間が大幅に短縮されたことで、ゲリラ豪雨を早期に検知することも可能になりました。
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 さらにフェーズドアレイ気象レーダは、線状降水帯の姿もしっかり捉えることができます。

 (大阪大学大学院工学研究科 和田有希助教)
 「西から東に向かって連なった積乱雲が徐々に移動しながら、上から下にどんどん降水コア(雨滴の巨大な塊)も落ちていきながら、雨の降る領域が動いていっている。それが30秒ごとに映像がアニメーションとして得られているというのがまさにフェーズドアレイ気象レーダならでは」