「内密出産」の始まりは「ドイツ」親の情報は『金庫の中に保管』

ーー内密出産は、妊婦が病院の相談員1人だけに身元を明かして匿名で出産をするものですが、病院は母親の情報、例えば運転免許証などコピーを厳重に金庫で保管します。その情報は、子が一定の年齢に達した時点で、母親が同意のもと子に開示できる。これも熊本の慈恵病院の独自ルールでこうされているということですね。
(認定NPO法人こうのとりのゆりかごin関西 小林和副理事長)
「そもそも内密出産というのは、ドイツで始まっています。こうのとりのゆりかごがドイツでいっぱいできたんですけど、そのゆりかご設置に反対する方々がいらっしゃるんですね。その反対する方々の第1の理由は、赤ちゃんが成長したときに自分の出自、どこに自分はどういう環境でどういう人のもとで生まれてきたのかを知る権利です、これを『出自の権利』といいます。『出自の知る権利をどうするのだ』というのが反対派の大方の意見なんですね。そのことに応える形でできたのが内密出産法です。ドイツで内密出産して、子どもが成長したときに、出生した拠り所はどこなのかを知りたいと思った時に、情報を開示して示しましょうと。そうしたら親にたどることができるような証拠を金庫の中に、保存・保管しておく。これを内密出産法といいます」