OBONソサエティ 工藤公督さん
「私ですね、OBONソサエティの工藤というものなんですけど、非常に大事なことなので伝えていただきたいんですけど…」
(警戒されて電話を切られる)
「こんなのは断られたうちには入らない。僕の中では。踏まなくてはいけない段階」

 この夏、工藤さんは北海道出身の3人の旧日本兵の遺族を探し出し、日の丸を返還しました。
 3人はいずれも旧日本軍の同じ部隊に所属し、沖縄で戦死しました。

 日米合わせておよそ20万人が亡くなった沖縄戦。
 道内出身戦没者は1万人を超え、都道府県別では沖縄県に次いで多い死者数です。
 これまでに見つかったおよそ18万8000柱の遺骨のうち、DNA鑑定で身元が特定されたのはわずか6人です。

 先月25日、工藤さんが向かったのは北海道南部の松前町。
 留萌市出身の鈴木秀二さんの遺族が住んでいます。

OBONソサエティ 工藤公督さん
「鈴木秀二さんが出征したとおぼしき留萌市まで行きまして、足跡をたどっていろいろと歩き回るわけなんですけど。墓地まで行ってですね、鈴木家の墓をずっと巡ったりだとか」


 翌日の返還式を前に、およそ3年かけてたどり着きました。