■アメリカ兵の遺体を見て「私は同情した」
別の元隊員にも話を聞くことができました。16歳で入隊した平良邦雄さん(95)です。最後まで戦い、死ぬ覚悟だったと云います。
平良邦雄さん「相手を『鬼畜』って植え付けられているから。『野蛮だ』って。まさかアメリカの兵隊なんて見たこともないのにね」

当時の日本では、敵国であるアメリカ・イギリスのことを「鬼畜米英」と呼ぶなど、敵がい心を煽る空気が醸成されていたのです。
しかし平良さんは、沖縄の山中で同じ年頃のアメリカ兵の遺体を見た時のことをこうふりかえります。
平良邦雄さん「ふと考えた時に、同じ人間にしてね、何でこの人はわざわざ兵隊で来て、そこに死にに来たのかなって思った。故郷に帰れないんだって、私は同情したの。悲しみを感じた」
戦場に駆り出された子どもたちが見たもの、それは戦争の現実でした。
(TBSテレビ「つなぐ、つながるSP 戦争と子どもたち 2023→1945」8月12日放送より)