富山県ではことしに入って山岳遭難が過去最悪のペースで増えています。
今月6日時点で遭難事故は65件。亡くなったのは4人ですが、実はそのうち3人は剱岳の「小窓ノ王」と呼ばれる岩場で命を落としています。いったいどんな場所なのでしょうか?

富山県山岳警備隊のSNS「X」より:「剱岳小窓ノ王で転落死亡事故が発生。この場所は上級者向けのルートで、重大な事故が何回も発生している所です」

これは8月7日の富山県警山岳警備隊のSNS。小窓ノ王では「重大な事故が何回も発生している」といいます。
「小窓ノ王」があるのは北アルプス剱岳の北に伸びる北方稜線上の標高およそ2700メートルの地点です。
剱岳は通称「岩と雪の殿堂」とも呼ばれる険しい山です。整備された一般ルートは頂上から南側の別山尾根、西側の早月尾根の2つですが、これ以外の岩登りのテクニックを必要とする「バリエーション」と呼ばれるルートが、山登り愛好家の間では憧れの場所となっています。
中でも「小窓ノ王」は上級者が目指す岩場ですが、今年事故が相次いでいるのです。
8月6日、小窓ノ王で、埼玉県春日部市の会社員、笹本和義さん(61)がおよそ70メートル転落、頭を強く打ち、県警のヘリ「つるぎ」で病院に救急搬送されましたが、死亡が確認されました。

小窓ノ王について富山県山岳警備隊の飛騨晶夫隊長は…。