■#値上げ受け入れてません 黒田総裁は釈明「強調しすぎたかも」

井上キャスター:
ですが、ツイッターでは、「#値上げ受け入れてません」というのがトレンド入りしました。「諦めているだけ」「貯蓄は全く増えていない」「月給20万円で1年間生活してみてから言ってほしい。」など、声は様々です。経済アナリスト森永卓郎さんは「コロナ禍で貯蓄は増えているがそれは一部の人だけで、8割程度の人たちは余力がないので多くの国民の反感を買ったのではないか。また賃金を上げるための具体策を示せていないことも問題である。」可処分所得は減り続けているというのが、今の日本の実態です。

6月7日、黒田総裁はこの流れを受けて国会の中で「我々が“値上げ許容度”と言ってきたものとぴったり合うかどうかというのは議論のあるところだとは思います。」という言い回しでした。「100%正しかったかと言われると、若干ためらうところがあります。言い方が適切かどうかについてはご批判を甘受したい」という風に話していました。

ホランキャスター:
黒田総裁が「やや強調しすぎたかな」という風にお話されていたのと、あと「若干ためらう」と話され「若干」だけなんだなっていう気が個人的にはしたんですが、どうお感じになりましたか?

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
この調査結果は、同じ店で買うという人が増えてるっていうんですけど、おそらくその他の店に行く余裕もないんじゃないかと思うんですね。安い店を探す余裕もないから、しょうがないから値上げをしている店で買い続けるっていうことで、これをもって値上げを許容する、受け入れるというふうに解釈するのは私はちょっと強引に過ぎるかなと思いますね。結局黒田さんの考え方からすると、自分がやってきた金融緩和がうまくいって、どんどん進んで値上げが転嫁されて良いインフレになって、賃金も上がってっていうことで、結局自分のやってきた金融緩和は正しいんだということを言うために、かなり強引にそのデータを使ってるっていうことなんですよね。

ホランキャスター:
今の順序からすると逆になってますよね。

星さん:
だから実際はその転嫁されてるんだっていうことを10数ポイントしか変化してない数字を持って、消費者が値上げを受け入れているんだと、それが転嫁に繋がるんだっていう風に解釈するっていうのは、ちょっといくら何でも強引だと思いますね。

ホランキャスター:
値上げというものをあまり実感されていないというようなお話もありましたね。

星さん:
家計の負担といいますか、その厳しさをちょっと軽く見てるんじゃないかと思いますね。

井上キャスター:
どうしても給料を上げてから言ってくれということにもあるのかもしれません。