そもそも「尿もれ」とは、医学用語で尿失禁のことをいいます。
自分でコントロールできずに尿が漏れてしまうことです。
大きく分けると4種類あります。
女性の尿失禁のタイプでは、腹圧性が最も多く、全体の半数近くを占めます。
重い物を持ち上げたり、ジャンプやくしゃみで、お腹に力が入った時に尿が漏れてしまう症状です。
これは、骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)という、骨盤の底にある筋肉がゆるむために起こります。
骨盤底筋群は、下から臓器を支え、排尿をコントロールする働きがあります。
では、単純に骨盤底筋群を鍛えればよいかというと、そうではないようで…
尿もれのある女性(40代)
「骨盤底筋体操を毎日しているのに、くしゃみすると、あっていう感じで出ちゃいます」
骨盤底筋群を鍛える体操をしているのに、なぜ尿もれするのでしょうか?
「足をみなさん、使わなくなってしまったからかなぁと思っています」と話すのは、理学療法士の米田由紀さん。
米田さんは、現在、非常勤で病院に勤務する一方、去年、腰痛と尿もれ改善をメインにした整体院を開院。
さらに、一般の人を対象に、尿もれに特化した講座を開いて、指導をしています。
理学療法士 米田由紀さん
「足で支える力がないと、背中やおなかを固める力で体を支えようとしてしまうので、結局は膀胱に負担がかかる姿勢になりやすい」
膀胱に負担をかける姿勢とは、反り腰や猫背。臓器の位置が下がり内臓の重さが、一番下にある膀胱にかかって圧迫され、尿もれにつながるというわけなんです。
現代人は、スマホやパソコンで姿勢が悪くなりやすく偏った体の使い方をしています。
これが年齢、性別に関係なく、尿もれの原因の1つになっているそう。
そこで、ポイントになるのは、足!
例えば、ものを拾う時、足で床をふんで、体全体を使って起き上がるのが良い体の使い方。
起き上がるときに足で地面を踏む!これが大事です。
足を使わず、上半身だけでものを拾うと体の使い方が偏ってしまい、よくないのです。
理学療法士 米田由紀さん
「私たちは、足で体を支えているので下から押し上げられて立っている。その上に柔らかくリラックスした上半身が乗っかっている」
男性も女性も、足で体をしっかり支えることが、膀胱に負担をかけない姿勢なんです。
そのためには、なんといっても土台になる足が大事。
足は、体を支える体幹につながっています。
実は、足の指を鍛えると骨盤底筋群の働きを高める効果が期待できます。
そこで、尿もれ改善に効果的な足の指のストレッチを米田さんに聞きました。