損保会社との“親密な関係” ビッグモーター不正請求
小川彩佳キャスター:
この問題、国交省だけではなく、金融庁も動き出す事態となっています。

山本恵里伽キャスター:
では改めて、ビッグモーターと損害保険会社との関係性について見ていきたいと思います。
損害保険会社は、契約者であるお客様に対して、ビッグモーターで修理できますよ、というふうに優良企業として紹介をします。一方のビッグモーターはと言いますと、車を販売する際にお客さんに保険を紹介するわけですが、よりビッグモーターを紹介してくれた損害保険会社を優先的にお客さんに勧めていたということです。
実際、ビッグモーターの経営計画書を見てみても、こうした文言が書かれているんです。「自動車保険を経営の柱に」ということで、力を入れていたということがうかがえるんですね。
小川キャスター:
ビッグモーターには損保会社の保険金で修理費用が入る。そして、損保会社としては紹介してもらうことでより多くの契約が結べて収入増に繋がる、といういわばウィンウィンの関係が成り立っていたということですか。

TBS経済部 木戸誠人 部長:
そうなんですね。ビッグモーターと損保会社は持ちつ持たれつの関係だったと言えます。とりわけ損保ジャパンは、以前ビッグモーターの大株主だったこともあり、保険会社としてビッグモーターと深い付き合いを続けてきました。

そうした中、2022年にビッグモーターの従業員から「不正が行われていた」という内部告発があり、社内調査を行った際の結果報告ですが、損保ジャパンは、「工場長からの指示があった」という従業員の証言が、「指示はなかった」と書き換えられている可能性を把握していたといいます。
しかし、損保ジャパンはビッグモーターが再発防止策を提示したことを受けて、一旦は取りやめていた事故車の修理の紹介を再開していました。
小川キャスター:
不正請求を知っていながらお客さんの紹介を再開していたのであれば、損保ジャパンの責任も問われかねないわけですね。
木戸 経済部長:
改ざんが行われていることを把握していたとしたら「なぜ取引を再開したか」。これは大きな疑問点です。この点につきまして、損保ジャパンの白川社長は、25日このように話しています。

損保ジャパン 白川儀一 社長
「(ビッグモーターの)工場長から(不正の)指示があったと把握している、という話は、私ども経営の方にもありました。決して(ビッグモーターの)経営陣から指示をしてやったことではない、という話がありました。二度と起こさないということを徹底してやってくれるのであれば、総合的な判断で一旦、(事故車の紹介を)再開をしましょう、という判断。再開の判断をしたというのは、あまりに軽率だったな、と。いま振り返ると、調査をするべきだったと反省しています」

山本キャスター:
損保ジャパンの白川社長は「あまりに軽率だった」と話し、紹介を再開していたことを認めました。その損保ジャパンについて改めて見ていきますと、過去にビッグモーターへ37人の出向していたということがわかっています。
ただその中には、不正請求があった時期に板金塗装部門の担当部長を務めた人物もいたということです。さらに、ビッグモーター兼重宏一前副社長がグループ会社にかつて勤務していたということもわかっています。