“不正の共犯関係”ないのか?金融庁が調査

小川キャスター:
こうした関係性が明らかになる中で金融庁も動き出しています。鈴木金融担当大臣はこの問題について、「我が目を疑う」と強い発言をしています。既に事実関係の調査を始めたと25日に明らかにしていますが、金融庁の調査のポイントはどこになりますか。

木戸 経済部長:
大きなポイントは、「持ちつ持たれつ」だった関係が不正においては、「共犯」の関係になっていたかどうかだと思います。

私どもの取材で、損保ジャパンの関係者から、「ビッグモーターにトラブルが多いことは把握していたけれども、ビッグモーターから持ち込まれる件数が多すぎて、引き返せなかった」という証言もあります。

また実際に保険の支払いを査定する段階で、ビッグモーターから持ち込まれた申請の査定を不当に甘くしていなかったかどうかもポイントです。自動車保険の査定では、「簡易査定」といい、保険会社の査定担当者が実際に車を見に行くことなく、修理工場から上がってきた見積もりと写真だけで簡単に査定をして、素早く支払いに進むという仕組みがあります。

これは一般的に行われてることですが、今回とりわけビッグモーターの申請に関しては、この簡易査定よりも、より甘い査定が行われていたのかどうか。ビッグモーターだけ特別扱いしていたのかどうかが争点となります。

小川キャスター:
その後の流れとしてはどういった動きになっていますか。

木戸 経済部長:
既に金融庁が調査を始めていますが、仮に悪質だと判断されるような事態になれば、さらに厳しい検査に乗り出す可能性もあります。

山本キャスター:
そして損保ジャパンについて26日、この不正請求問題を検証するために社外調査委員会を設置したと発表がありました。

小川キャスター:
この問題は一見すると被害者がわかりづらいですが、こうした不正が起きると巡り巡って、保険料アップに繋がりかねない。つまり車ユーザー全体に影響が出かねないわけですか。

木戸 経済部長:
車を修理する人も査定をする人も、そして車の修理に出す人も正直に報告する、というのが大前提です。保険の制度そのものを揺るがしかねない大きな問題なので、真相の究明と再発防止は欠かせないですね。