柏崎の伝統『桶流し一本釣り』
日付が変わり、出発です。
およそ20キロ沖合の漁場を目指す間に、漁の準備をします。

船長は柴野一志さん(60)。アラ漁を続けて30年のベテラン漁師です。
【漁師 柴野一志さん】
「エサです。サバとか、エソとか、イカとか…」

柏崎のアラ漁は「桶流し一本釣り」という漁法で行われます。
120メートルから160メートルほどの釣り糸に3、4本の針とエサをつけ、桶から垂らして海に流します。エサに食いついたアラを桶を目印に回収するという柏崎独自の伝統漁法です。ポリバケツのような桶を海に流していきます。

【漁師 柴野一志さん】
「多い時は20本くらい(獲れる)。その日によって全然違う、あと潮の流れとか…」

釣り糸は潮に流されてしまうため、潮の流れを読み、右手で船のエンジンをコントロールしながら、左手で海底の深さによって糸の長さを変えるという経験と繊細さが求められる漁です。
出発から2時間、漁師の柴野さんが次々と桶を流していく一方で…

【柏崎市 桜井雅浩市長】
「いやー…慣れている人はあれかもしれないけど、眠いね」
Q船酔いは大丈夫ですか?
「船酔いは大丈夫なんだけど、やっぱり眠いよね」

慣れない漁船にお疲れの様子です。同乗した記者や市の職員もぐったり。
【漁師 柴野一志さん】
「まだ(アラのことが)分からない人も多いので、これだけいいものがあるっていうことを知ってもらいたい」

柴野さんの思い、伝わるでしょうか。