ーーどう言った話でしょうか?

後藤部長:
そもそも細田さんが注目を浴びたのは国会議員に関する“ある失言”からでした。その失言を改めて聞いていただきたいと思います。

細田氏
「(歳費が)100万未満であるような手取りのね、議員を多少増やしたってバチは当たらないと私は思っているんです(5月10日)」

ーーこの発言について説明してもらえますか?

後藤部長:
細田氏の「100万円未満」というのは国会議員の歳費のことを言っているのですね。実は衆議院では一票の格差を是正するために、10増10減の区割りの見直しをしています。要するに10増すけれども、10減らすと言うわけです。
人口が多いところの選挙区を増やし、その分、人口が少ないところの選挙区を減らすということです。これは、今後の政治にも大きな影響が出る可能性があります。

増える選挙区を具体的に見ていくと、東京5増、神奈川2増、埼玉1増、千葉1増、愛知1増の計10選挙区。首都圏と愛知県だけ増えるわけです。一方、減らされるのは宮城、福島、新潟、滋賀、和歌山、岡山、広島、山口、愛媛、長崎、全10県で1選挙区ずつ減らされることになります。

ーーこれに対して細田議長の自身の選挙区に影響が出るということですね。

後藤部長:
細田氏は選挙に詳しい選挙博士とも言われています。そして地盤は島根県で、非常に人口が少ない地域です。もちろん自身のためということもあるのでしょうが、持論として、“地方の議席が減ることによって地方の訴え、地方が何を求めているか国会に反映されづらくなるのではないか”という考えの持ち主でした。そうした考えから、“都市部の議員を増やすことで緩和できないか”と考えたのです。

ーー人口が少ない地域の選挙区を減らすのではなく、都市部の選挙区を増やすことで、調整しようと?

後藤部長:
「100万ぐらい」と失言してしまったのは、議員数を増やすことに対して理解を求めようとした結果だと思います。