打の大阪桐蔭、注目選手は

高校野球取材ほぼ50年 森本アナ

《澤田隆三プロデューサー》前田投手が戻ってきて、またケガで休んでいた3番の徳丸快晴選手も戻ってきて、大阪桐蔭が万全な戦力で大阪大会に臨むとしたらこれはもうなかなか簡単には崩せないといいますか…。

《MBS森本栄浩アナウンサー》そうですね。攻撃面でも徳丸選手が外れて、春の大阪大会の終盤あたりから打線が繋がらなくなったんですよね。西谷監督はかなり打順を変えたりしたんですけどなかなかうまくいかなくて。ケガから復帰した2年生の徳丸選手はうまさもパワーも両方ある、ここ最近ではずば抜けた選手と思っています。歴代の大阪桐蔭で下級生が3番を打つことはあまりない。

――桐蔭で、ほかに注目している選手はいますか

 前田投手がベンチを外れた間、キャプテンを任された笹井知哉選手です。彼は一塁手で本人は「自分はアグレッシブな1番バッターです」と言っていました。どんどんどんどん積極的に打ってチャンスメイクしたいと。笹井選手はセンバツのときはケガのため三塁コーチャーを務めていましたが、西谷監督は「彼の成長が春のいちばんの収穫です」とおっしゃってましたね。

――では、大本命の大阪桐蔭に弱点はあるかということで少し話をしたいと思います。わたしも去年の秋からこのチームを見ていますが、例年のチームにくらべて内野の守備に不安が残ると思うんですが。

はい、たしかに守備のミスで失点するケースが何度かありました。スローイングのミスもありました。そのあたりは確かにこのチームの課題とは思いますね。

――一方、投手陣全体の話になりますと、前田投手のほかに、どんな投手に期待が集まりますか。

 実績でいうと右の南恒成投手なんですけど、春は肩の調子が良くなくて、近畿大会ではベンチを外れていました。夏に向けてどのように復調できているか。彼が一番実績あるので非常に重要な戦力ですね。2年生では平嶋桂知という右投げの投手。それと境亮陽投手がいます。

――いずれにしても、やはり今年は前田投手の存在が際立っているということですね。

 前田投手をはじめて見たのがおととしの秋の大会で、そのときに西谷監督にうかがったら「自分が見てきた左ピッチャーで1年生のこの段階でこれだけできるピッチャーはいない。教えることがない」と。けん制も、クイックもできるし打者との駆け引きも。もちろんボールはいいし、強いて言えば課題はスタミナということでしたが、もう絶賛でした。