大阪桐蔭の”大エース”前田投手「センバツ以降のベンチ外」何があった

《澤田隆三プロデューサー》本命の大阪桐蔭なんですけれども、秋の大阪大会、近畿大会、そして神宮大会で優勝しました。センバツでは大本命と言われましたけども準決勝で報徳学園に負けました。その後、春の大阪大会の決勝で金光大阪に負け、近畿大会でも1回戦で奈良の智弁学園に負けました。大阪桐蔭は大阪府内で2020年の秋から56連勝していたのがストップし、スポーツ紙でもニュースになりましたよね。森本さんはその間の戦いぶりをどう見ていましたか。
《MBS森本栄浩アナウンサー》今年の桐蔭は前田悠伍という大エースがいて、彼のチームであることは間違いないんです。その前田投手がセンバツのあとベンチを外れて、夏一本に絞って調整を続けました。西谷監督は、前田投手抜きで他の選手たちでどれだけやれるか、というところを見ようとして春の大会を戦ったのだけれども、結果として勝ち切れなかったということだと思います。やっぱり前田投手の存在がいかに大きいかということですね。ただ同時に下級生、特に1年生の新戦力が出てきましたよね。チームとして底上げはある程度できたんじゃないかな。前田投手の状態次第では大阪を勝ち抜いて、全国大会(甲子園)でも大本命になると見てます。
――前田投手がセンバツ以降のベンチを外れたことで公式戦でも全く投げなかったので、一部ネットやメディアの間ではケガをしてるんじゃないかとか、いろんな憶測が出ましたけれども、森本さんは取材をしていてどう見ていたんですか。
《森本》僕が取材したところでは、西谷監督は、前田投手は下半身の強化で走り込み中心の練習を進めている、とのことでした。故障はしていなかったと思います。ただ状態が上がってこなかったのはあると思うんですよね。6月1日に愛知県の学校から招待されて名古屋のバンテリンドームで練習試合をしました。前田投手も同行したんですけれど、一切投げませんでした。
招待した享栄には前田投手と並ぶ評判の東松快征というすごい投手がいるんですけど、結局前田投手は投げず、直接対決は実現しませんでした。本来なら招待を受けた試合なので、顔見せといいますか少しは投げてもよかったんですけど、投げなかったということはやはりまだ状態があがってきていないのかな、と思いました。
つい先日、大阪桐蔭はメディアの取材を受けて、前田投手は報道陣の前でピッチングを見せました。いいボールを投げていました。本人も不安はないということでしたので、夏一本に絞って練習をやっていたのではないでしょうか。
――大阪大会を勝ち抜くことは決して楽ではないんですが、やはり本大会の甲子園を見すえての調整といえるんでしょうか。
当然、前田投手は甲子園でピークというふうに考えていると思いますし、今年の大阪はさきほども言いましたが打力のあるチームが少ないので、打ち合いという展開は少ないと思うんですね。逆に言うと、大阪桐蔭の打線がしっかりと援護できれば、そんなに苦しい戦いにはならないんじゃないかな。