全国の強豪校… 夏連覇めざす仙台育英は?春優勝の山梨学院は?

森本アナウンサーと澤田プロデューサー

《澤田隆三プロデューサー》わたしも前田投手がデビューしたおととしの秋の試合をいくつか見ましたが、本当に驚きました。体は大きくなくどちらかといえば線が細い印象なのに、打者はまったく打てないんですね。チェンジアップが魔球のようでした。その年の神宮大会では対戦した敦賀気比は手も足も出ずに三振の山。気比の東監督は「まったく打てる気がしなかった」とお手上げでした。仮に、大阪大会を勝ち抜いて甲子園に出場するとなれば、全国的にみてもやはり前田投手はナンバーワンになりますか。

《MBS森本栄浩アナウンサー》 もうナンバーワンに近いでしょうね。全国をみれば、センバツのあとのU18代表の合宿に参加した愛知・享栄の東松快征投手、山形中央の武田陸玖投手らの名前があがっています。ただ、甲子園のような大きな大会での経験はまだないので、これからどれだけ実績を残せるか、その点ではやはり前田投手はすでに大きな大会で経験を積んでいて一歩抜けていると思います。

――まだ地方大会が始まったばかりなんですが、この段階で全国で注目するチームをいくつかあげてもらえますか。

 まず仙台育英。ピッチャーが揃っているということですよね。打線がどれぐらいやれるかですけど、仙台育英の高橋煌稀、仁田陽翔、湯田統真の3投手、いずれも150キロのスピードがあります。去年の夏、今年のセンバツでも投げていて実績もありますし、これだけのレベルの投手が揃っているのはなかなかありません。ただ半面、投手の調子はいつもいいとは限らないので交代のタイミングが難しい面はあります。仙台育英は投手起用法というのが須江監督の腕の見せ所かな、と思います。

 次に神奈川の横浜ですね。左腕の杉山遙希投手がいいです。それに1年生の時に甲子園でサヨナラホームランを打った緒方選手は経験値が高い。ただ今年の神奈川は全国的に見ても激戦区です。慶応、東海大相模、桐光学園なども力がありますので。

 愛知も注目です。さきほど触れた東松投手の享栄。それに愛工大名電、東邦も力があります。もし享栄が夏の甲子園に出れば28年ぶりということになりますね。

 西の方では広島の広陵です。真鍋選手という主砲がいるんですけど、今年の高校球界のスラッガーのなかではナンバーワンです。しかも真鍋選手以外にも打てる選手がいますし、選手の質の高さはすごいです。このほか、真鍋選手と並ぶスラッガーで高校通算本塁打140本の佐々木麟太郎選手がいる岩手の花巻東も有力チームです。

――センバツで優勝した山梨学院はどうでしょうか。

 山梨学院と広陵が戦った準決勝は、センバツでいちばんいい試合で、見ごたえがありました。センバツは林謙吾投手が一人で投げぬきました。山梨大会を勝ち抜けるかどうかは、ほかの投手がどれだけ頑張れるかがカギではないでしょうか。夏は一人で投げぬくのは難しいですから。チームとして名前をあげるなら、そういったところだと思います。

――ありがとうございました。次回は、大阪以外の近畿地区の展望と、注目選手について話を聞かせてください。