どうなる?解散命令 安倍氏銃撃から1年

小川彩佳キャスター:
元2世信者から解散命令請求が必要だとの声が上がっていましたけれども、進捗はどうなっているのでしょうか?

山本 恵里伽キャスター:
まず、文科省は教団側に書面で質問を送りました。質問内容は、組織運営や献金の実態などに関するもので、2022年11月から始まって、回数は6回に上っているわけです。

質問回答の量
1回目 段ボール8箱
2回目 小型段ボール12箱
3回目 小型段ボール2箱
4回目 封筒1通
5回目 封筒1通
6回目 封筒1通 宅配袋2つ

1回目(2022年11月)は、ダンボール8箱分、2回目は小型段ボール12箱などかなりの量の回答を送ってきていましたが、回数を重ねるごとに回答は減っていきまして、5回目には文科省側は203項目にも及ぶ質問を送ったにもかかわらず、回答は封筒1通のみだったということです。

こうしたやり取りなどを踏まえて、教団側の悪質性などを示す証拠が集まった場合に文科大臣が裁判所に解散命令を請求します。

この請求が認められたら、税金の優遇などを受けられる宗教法人格が剥奪されることになります。ですが、証拠が集まらなかった、もしくは裁判所が認めなかった場合には、宗教法人格が存続するということになります。

小川キャスター:
この流れを見ましても、今まだ最初の段階でかなり時間がかかっているように見えますけれども、まだ十分な証拠が集まっていないのでしょうか?

ジャーナリスト 鈴木エイト氏:
実は、強制的な捜査権があるわけではないので、差し押さえ等できないんですね。教団側が自分たちに不利になるような情報を自ら出すわけがないので、文化庁が独自に入手した資料とも照らし合わせている。実はこれも文化庁がきっちり証拠集めをしていて今、最終段階なんですが、僕の取材した限りではこの夏にはちゃんと解散命令請求がなされると思います。

小川キャスター:
請求まで行くと解散までいきそうなのでしょうか?

鈴木エイト氏:
国が出すということはそれだけ重いことなので、例えば息のかかった政治家がストップをかけるとか、そういうことがない限りは、時間はかかりますけど解散命令請求の方向にちゃんと動いていくと思います。

小川キャスター:
まずは夏頃に動きがあるかもしれないということですね。教団側は解散命令請求の動きはどう見ているのでしょうか?

鈴木エイト氏:
韓鶴子総裁の先ほどの発言を見ても、「政治家たち、岸田を呼びつけて教育を受けさせなさい」と発言をしている、と非常に焦りがある。韓鶴子総裁は、日本の政治家は自分にはべる存在だと思っているんです。自分に従うべき日本の政治家が教団に不利になるようなことをしている、これはいかなることか、とすごく怒っているという状況になります。

宮田裕章(データサイエンティスト)慶応大学医学部教授:
教団側だけではなくこの1年、旧統一教会問題というのは国民的なイシュー(問題)になり、信仰の自由というのがある種隠れ蓑になる中で、為政者を生み出す仕組みが明るみに出てきているわけなんですが、ここから先、さらにどういったことが必要になると思いますか。

鈴木エイト氏:
教団と意図的に関係を持ってきた自民党の一部の議員と大物議員たちが、責任を全く問われないまま1年経ってうやむやのままになっていますよね。本来、宗教を盾にした旧統一教会という暴力組織なんですよね。こういう団体、こういう実態を的確に捉えた上で、勢力と政治家が関係を持たない、結びつきを持たせないような法整備や枠組みが必要になっていくと思います。