西日本豪雨から、7月で5年を迎えます。岡山県倉敷市真備地区に、新たな生活を始めた矢先に被災した夫婦がいます。生活の立て直しの支えとなったのは新しい命でした。ようやく日常が戻りつつある家族の「今」から、5年の月日を振り返ります。
娘を妊娠中に西日本豪雨で被災した

(田坂昌士さん)
「災害のことより、妻のお腹に娘がいたから、そのことの心配の方が…」
(田坂有美さん)
「彼はそうやって私のことを心配してくれたと思うんですけど、私はあんまり自分のことは考えなかった。今思えば(娘に対して)『ありがとう』という感じ。『強く生きてくれてありがとう』と…」

倉敷市真備町有井に暮らす、田坂さん一家です。豪雨被害に見舞われる約4か月前、この地で新たな生活を始めました。

(田坂有美さん)
「そのままゆっくりと、頭を右や左に転がしていきましょう」
2018年3月、かつて有美さんの祖父も暮らしていた実家の一部を改装して、夫の昌士さんとともにヨガスタジオをオープン。ところが、西日本豪雨で浸水し、閉鎖に追い込まれました。

(田坂有美さん)
「これが庭。隣の家の1階のところまで水で埋まったところが、海みたいな感じに…」
「もう全部捨てようと...」全てが水に浸かった5年前
自宅兼職場は、決壊した末政川のそばにありました。田坂さん夫妻は九死に一生を得ましたが、大切にしていた多くのものが水に浸かってしまいました。
(田坂有美さん)
「全部捨てたんですよ。写真から何から…どこに何があるかもよくわからなかったので、『もういい』と思って」
(田坂昌士さん)
「あんまり考える暇もなかった。もう一からやり直そうと…」














