■「思い出すと寝られなくなる」惨状の現場から中継
小川彩佳キャスター:
ウクライナ東部ドネツク州の駅には秌場聖治記者がいます。

秌場聖治記者:
じわじわと軍を進めているロシア側が、制圧を狙っていると思われるクラマトルシク区にいます。
まさに攻撃にあった駅なんですけれども、当時駅には数千人が安全を求めて西の方に避難しようと列車を待っていました。主に女性や子どもです。そして、そのまさに真ん中に着弾したわけです。
こちらに黒いしみがあるのですが、これは全てその時に流れた血のあとだそうです。

こちらには、犠牲になったこどもたちのお供えのためでしょう、地元の人がぬいぐるみがくくりつけています。

インタビューをした男性に「被害者の中で特に印象に残っている人はいますか」と聞くと、「それを思い出すと夜眠れなくなるので、思い出さないようにしているんだ」と話していました。
小川キャスター:
緊張も高まってきているかと思います。町はどんな様子でしょうか?
秌場記者:
もう既に多くの人が避難していて、人口は約4分の1になったそうです。店はほどんど開いていなくてがらんとしています。
先程、けが人の手当てを行った病院に話を聞きに行きましたが、「人口は減っているのに、周辺地域から病院に運ばれてくるけが人の数は増えている」ということでした。
つまり、周辺にはロシア軍がそれだけ近づいてきていて、戦闘も激しくなってきているということを表しています。
入院していた60代の女性は「村がめちゃくちゃになってしまった、どうすればいいのか分からない」と涙を流していました。そして、医師は「状況はこれからさらに悪化するだろう」という暗い予測を立てていました。