保護者との『言葉の壁』も 橋渡し役を担う「保育職員」兼「通訳」

 今年3月、春から園に通う子どもたちの保護者への説明会が行われていました。ベトナム人のフェン・チャンさんは、4月から「保育職員」兼「通訳」として採用されました。1歳児の新園児の7割がベトナム人(4月1日時点)。これまでの体制では十分な対応が難しいからです。
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 【説明会の様子】
  (職員)「おやつは食べますか?」
 (保護者)「…」
  (職員)「おやつ…3時とかにお菓子。ご飯じゃなくて、ご飯とご飯の間におやつ。わかる?」
 (保護者)「(うなずく)」

  (医師)「予防注射はいままで全部打っていますか?」
 (保護者)「予防接種…どんな予防接種ですか?」
  (医師)「はしかとか風疹とか」
 (保護者)「多分、接種あるかもしれない。ベトナムで」

 来日から年数がたっていても職場や家庭では日本語を使用しない保護者もいるため、言葉の理解度はさまざまです。しかし、安全な保育のためには保護者との意思疎通は欠かせません。

  (職員)「フイくんはお家でなんて呼ばれていますか?フイくんって呼んでいます?」
 (保護者)「わからない…」
  (職員)「フイくんって呼んでいる?呼ぶとき」
 (保護者)「…」
  (職員)「チャンさんいけるかな?アレルギーのこと聞きたい」
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 チャンさんがその橋渡し役を担います。保護者から聞き取った内容を職員に伝えます。

 (通訳するチャンさん)「アレルギーはないです」
        (職員)「豚肉・鶏肉・牛肉は大丈夫ですか?」
 (通訳するチャンさん)「お肉も大丈夫です」
 (通訳するチャンさん)「お家で食べ物を小さく切っていたら食べられます」