「本当のユニバーサルは多数側の楽しみを変えていく」

 最後はアイマスクを外し、自分が“鑑賞”してきたものを改めて捉えます。

 (大吉アナウンサー)
 「眩しい。あ、こんな感じだったんだ。へえ!先生たくさんありますよ、羅漢様が。思ったよりもちゃんと見たらわかる顔をしてるんですね。これ私、アイマスクをつけずにここに上がってくると、たぶん俯瞰で見たと思うんですよ。だけど、今日は1体1体に触れたので、俯瞰じゃないんですよね。やっぱりポイントで深く集中して見ているので、記憶の残り方が違いますね」
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 これこそがまさに広瀬先生の考える『ユニバーサルツーリズム』なのです。

 (国立民族学博物館 広瀬浩二郎准教授)
 「弱者・障がい者と言われる人たちを支えるだけじゃなくて、そこからもっと突き抜けていって。本当のユニバーサルっていうのは、マジョリティー(多数)側の楽しみを変えていく」
 (大吉アナウンサー)
 「目が見えない人たちがどうやって観光を楽しんでいるのかを『知る』ではなくて、彼らしか知らない楽しみ方を我々が体験できる新たな楽しみというか、それをきょう本当に実体験できました」