当時は800万円で売れたのに現在は50万円に…抱いた危機感
【明舞団地の記録映画より 提供:兵庫県住宅供給公社】
「新住宅市街地開発事業として兵庫県が開発を進めてきた明石舞子ニュータウン」
「これは人間の知恵が造り上げた新しい街だ」
明舞団地が誕生した頃の記録映画。最初の入居が始まったのは前の東京オリンピックが開催された1964年でした。当時は「ニュータウンで団地暮らし」が子育て世代の憧れで希望者が殺到。抽せんで入居者を決めるほどだったそうです。
ところが多くの子どもたちが巣立っていった今、2020年の国勢調査によりますと、明舞団地の高齢化率(65歳以上)は約44%になり、兵庫県全体の約29%を大きく上回り、空き家が目立つようになりました。
実は清水さんも幼少期は家族4人でこの団地で暮らしていたことがあります。今後、ふるさとが空き家だらけになるのでは、と危機感を抱いたことが活動を始めたきっかけでした。
(清水大介さん)
「うちの親が団地を購入したのが1970年代、僕が生まれた時くらいなんですよ。僕が14歳の時に売却したんです。その時に800万円くらいで売れたんですよね。でもこの間、僕が生まれ育った団地が50万円で売られているのを見つけたんですね。これはなんとかしないといけないなっていうのはありましたね」
古い設備と今のライフスタイルでは手狭で使いにくい団地は価値が下がっていく一方でした。それならばと清水さんはファミリー向けだった団地をあえてシングル向けにすることを提案しました。
例えば、同じ明舞団地にあるファミリー向けだったメゾネット型の住居は、1人や2人での暮らしを想定して18畳あるスペースを作って余裕のある間取りに変えました。すると見事にあたり、相場を大きく上回る980万円で買い手が決まるなど、住まいの価値もグッと上がりました。