肌触りがよく柔らかくて軽い…『三田レザー』を使用した財布が完成
尾崎さんらはこれまでに10頭分ほどの皮を購入。工場でなめした後、財布や名刺入れなどを製作することにしました。製作の協力を依頼したのは、カバン職人の亀川亜矢子さん。尾崎さんの中学・高校の同級生です。
(尾崎さん)「(革が)めっちゃ柔らかいね。しかも軽い」
(亀川さん)「柔らかいし、薄くしやすい」
初めて扱う「三田レザー」。亀川さんは革の感触を確かめながら丁寧に財布を作り上げていきます。
(カバン職人 亀川亜矢子さん)
「こういう柔らかい革の時ってどうしても難しくて。ちょっと伸ばしながら、微調整しながら貼り合わせます」
革によって厚みや柔らかさが違うため、財布はどれも一点ものになるといいます。
(カバン職人 亀川亜矢子さん)
「革の色とかなめし方でも変わってくるので、財布の厚みに統一はないんですよ」
「三田レザー」で作られた財布。ブランド名は「全部捨てない」という思いを込めて、「ZENSTEN(ゼンステン)」と名付けられました。
製品には、「S・A・N・D・A」=さんだ(三田)という文字が“デザイン”されている二つ折りの財布もあります。
財布は商品化され、去年10月には三田市のふるさと納税の返礼品にもなっています。
さらに、クラウドファンディングで支援を求めたところ、購入したいという声が相次いだといいます。その多くは製品化への思いに賛同した人たちです。
365日休みなく働く生産農家の春日さんもプロジェクトに期待を寄せています。
(春日牧場 春日敏和代表)
「750日ほど飼って、食肉として約1か月2か月で消費して終わってしまう。その革を今度は商品として5年10年と使ってもらえるのは農家にしてもうれしいし、ありがたい。(生産農家が)魅力のあるものやとわかれば、もうちょっと後継者も増えるんじゃないかと思います」