「住みたくなる町」人口1万3000人の町に毎年約100人の移住者が
各地で進む移住促進について、岡山県和気町の取り組みです。都市部を中心に毎年約100人が移住しているという和気町。何が人気なのか。住みたくなる「ワケ」を取材しました。

岡山県の南東部、1万3000人あまりが暮らす和気町です。
岡山県三大河川の一つ、吉井川が流れる自然豊かな小さな町に、ここ数年、移住者が増えているというのです。その数は7年間で約700人。毎年約100人の移住者が和気にやってきています。

(山下将広さんの家族)「新玉ねぎ、ちょっと辛い」
去年1月、兵庫県の西宮市から家族3人で和気町に移住した山下将広さんです。
(山下将広さん)
「自然が好きでキャンプに行くことも好きだったので、65歳の定年を迎えてからは自然豊かなところで暮らしたいと思っていた」

山下さんは、現在48歳の働き盛り。定年退職はまだ先の話ですが、和気町への移住を可能にした理由の一つが「交通の利便性」でした。大阪市にある通信関連の会社で働く山下さん、現在は自宅でのテレワークが中心で大阪へは週2日程度通勤しています。
(山下将広さん)
「和気は電車で岡山駅まで約30分で行くことができて、新幹線で大阪まで通勤できる」
「高速道路も通っているので、和気ICから兵庫県の実家にも2時間掛からず車で帰ることができるので、すごく便利なところでありながら自然豊かなところが条件にマッチした感じですね」
実際、和気町に移住した約半数の人が、交通アクセスの良さを理由に上げています。和気町の人口は1980年に2万人近くいましたが、高齢化の影響で30年間で約7000人も減少しました。この先、人口減少に歯止めをかけるには町外からの移住者を呼び込む施策がカギとなっていました。

役場では、東京の渋谷で町のPR映像を上映したり、山手線での中吊り広告など都会で暮らす人たちに「田舎暮らし初心者向けの町」としてアピール。その結果、移住者の多くが首都圏や関西圏といった都会の人々です。

新たな住民が増えたことで、和気町では定期的に交流会も開催されるようになりました。