役場の担当者は移住経験者「デメリットも伝えることが大事」

今、和気町が目指すのは「移住」の先にある「定住」です。役場で移住者支援に取り組む、飯豊信さん。飯豊さん自身も移住者の一人です。

(和気町移住推進室 飯豊信さん)
「人生、生きていれさえすればなんとでもなると思ったので、生きていくことを優先した」

飯豊さんはこれまで、東京で化粧品メーカーや音楽イベントの会社で仕事をしてきました。しかし、東日本大震災の経験をきっかけに2012年、自然災害の少ない町にと和気町に移住しました。

(和気町移住推進室 飯豊信さん)
「停車している車が和気町のバスです。本数が少ないことがマイナスポイントです」

飯豊さんが移住希望者に町を紹介する際に、大切にしていることが移住者目線の情報です。役場に就職してからの約7年間で、556世帯・約1300人の移住希望者に対して現地ガイドを行ってきました。

この日、案内したのは北陸地方からの移住希望者です。和気町の魅力と合わせて、欠かさず伝えるのは「デメリット」です。

「古民家のマイナスポイントは…寒さとか隙間風とかその辺りは?」

(移住希望者)
「自分たちで、一から町の隅々まで分からないので、案内して頂いて実際住んでいる人の声が聞けるというのはすごく大きいと思います」

(和気町移住推進室 飯豊信さん)
「デメリット(1)ガス代・水道代が都市部と比べて高くなる」

「デメリット(2)古民家で言えば、寒さや虫の問題に覚悟はできているかということも大事になる」

「デメリット(3)子どものクラブ活動の選択肢が都会と比べてすごく少なくなる」

「移住したあとに、『思っていたことと違った』となるのは避けたい」

【解説】移住者が年100人も増えている和気町では
(1)「下見の際に宿泊費の補助」
(2)「移住後に一定期間無料で車の貸し出し」
(3)「お試し住宅」
など、移住者の意見を聞き支援策を行っているんです。

和気町が移住者に行った「役立った施策」のアンケート結果では、飯豊さんによる「車での現地ガイド」が1番に人気で、やはり移住者視点の支援が重要だと分かります。