競売前に売り払う「任意売却」 相談件数は『コロナ前に比べて約1.5倍に増えた』
住宅ローンの滞納による競売で家が処分される前に売り払う「任意売却」。一般的に、競売に比べて、任意売却での売却価格は1.4倍ほど高いといわれています。
Aさんは任意売却を専門に扱う業者に相談。今年2月、業者側から「金融機関と折り合いがつき、家の販売価格が決まった」と連絡を受けました。
【業者とAさんのやりとり】
(近畿任意売却支援協会 佐野雅史代表理事)
「販売価格なんですけれども…980万円です。早いうちに売却できるように私たちも頑張りますので」
(Aさん)
「わかりました」
あとは家の買い手が見つかるのを待つだけです。任意売却について専門業者の佐野さんの元に来る相談件数は「コロナ前に比べて約1.5倍に増えた」といいます。
(近畿任意売却支援協会 佐野雅史代表理事)
「会社を経営されている方からの相談というのは特に増えましたね。あとは飲食業界の方も増えましたし、コロナ禍でホテル業の方からの相談もやっぱり増えてきました」
また、コロナ前に戻りつつあるとはいえ、今なお生活が立て直せていない人には「任意売却のニーズが高まるのではないか」と分析します。
(近畿任意売却支援協会 佐野雅史代表理事)
「コロナ禍で住宅ローンの支払いが厳しい人に対して金融機関は柔軟に対応してきました。コロナが2類相当から5類に変わることによって、おそらく金融機関は今までのリスケジュール(返済計画の見直し)を閉めていく形になっていく。そうなると住宅ローンの返済ができない方というのはすごく増えていくのかなと考えています」