売却後も賃料を払いながら同じ家に住み続けることができる「リースバック」

 就労支援施設を維持するため住宅ローンが払えなくなったAさん。4月末、佐野さんの事務所を訪れていました。

 (Aさんに説明する近畿任意売却支援協会の佐野雅史代表理事)
 「売買代金が入っています。980万円の販売価格に対して30万円の値段交渉が入りまして、950万円という形になっております」
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 大阪市内の不動産業者が950万円で買い取ることで話がまとまりました。ただ、Aさんには気がかりな点が…。様々な思い出が詰まった自宅を手放すことを家族はどう受け止めるのか。

 (Aさん)
 「僕自身はここに住むこだわりはないんですよ。ただ、あとこの数年間は大事な時期やし、子どもの年齢を考えてもね。そういう時にここがあった方が良いやろうなと僕は思ったので」
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 そこで、佐野さんが提案したのが「リースバック」という仕組み。家の所有権は手放すものの、「賃貸物件」として賃料を払いながら同じ家に住み続けるというものです。これを利用することで、月7万5000円の住宅ローンに固定資産税などを払っていたのが、家賃の支払いだけとなり、月2万円ほど負担が少なくなりました。

 (Aさん)
 「身動きが取りやすくなったなという気持ちはありますね。今この状況なので、少しでも負担が減るというのはすごくありがたい話ですし」
 
 (近畿任意売却支援協会 佐野雅史代表理事)
 「任意売却で気持ちも楽になれたとおっしゃっていただいているのは、すごくうれしいことですね」
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 任意売却の相談から約半年、無事に契約の手続きを終えたAさん。佐野さんたちに施設で作ったパンを差し入れますが…。

 (佐野さん)「きょうめちゃくちゃ疲れてません?」
  (Aさん)「きのう寝無しで働いているんで。寝たと思っても1~2時間でパッと目が覚めたりとかがあって、そこが今一番しんどいかなと思いますね。(Qこれからゆっくり寝られそうですか?)寝られたらいいなという感じです」

 生活再建のため「任意売却」を決めた人たち。今後も1つの選択肢として注目されそうです。
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 (2023年5月22日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特集』より)