本名正憲 アナウンサー
岸田さんが提唱する「核なき世界」、もっと身近で今、起こっていることといえばウクライナ。平和が1日も早く訪れてほしい。そのためにもやっぱり、具体的なステートメントがほしいなって気がします。
広島市立大学 国際学部 武田悠 准教授
ただ、やっぱり難しいんですよね。ウクライナ戦争もそうだし、核軍縮もそうですけど、日本だけでは、できることにはすごく限りがあって、それこそ戦争であればロシアが軍隊を撤退すれば終わるわけですけど、なかなかロシアをG7で集まってもなかなか説得するのは難しい。もう少し様子を見ながらウクライナを支援していくとか、いろんなことをやっていかなくてはいけない。せめてG7でまとまるっていうことは重要なので、まずはそこが目標になるんだろうなと思います。核軍縮もそうですね。
本名アナ
どうでしょう。まとまれそうなんですか?

武田悠 准教授
温度差はすごく大きいんでしょうけど、わたしはまとまるんだろうなと思っています。というのは、特にG7はこの20年ぐらい、ずっと存在意義あるのかって言われてきたんですよね。どんどん、日本を含めて経済的な力が衰えてきている。ただ、ここにきて、民主主義的な考え方をしない国っていうのが、どんどん出てきて、それが脅威だというふうに見られるようになってきているので、民主主義国が集まっているG7の役割ってのは重要になっていて、どの国も、そこは大切にしたいと思っている。いろいろ思っていることはあるけど、でも、最後にはまとまるという方向に行くんじゃないかなと。ほかになくはないんですけれども、やっぱりG7がメインなんですよね。ここがまとまらないと、もう、どうしようもないという、そういう危機感はどの国も共有していると思うので、最後にはまとまるとは思うんですけど。問題はどこでまとまるか。
本名アナ
きょうも話に出ましたけど、そのほか、G20、グローバルサウスといった注目すべき力を持っている国が台頭してきているわけですよね。そうした国々というのは、どっちにつこうかな、様子を見ているようなところもあると思うんです。
武田悠 准教授
たぶん、どっちにもつきたくないというか、被害を受けたくないということが、まずあるんだと思います。今、ウクライナ戦争が続いているのでインフレとか、食料そのものが供給されないとか、いろんな問題が出てきているので、影響を受けたくないということがあると思います。だから、そこはちゃんと配慮しないといけない。
本名アナ
議長国としましては本当に慎重なかじ取りといいますか、難しい。
武田悠 准教授
そうですね。単純に民主主義っていうことを表に出しすぎると、それは逆効果なので。ただ、日本はずっとそういうこと言ってきたんですね。民主主義じゃなくて、安定とか、法やルールを守ろうとか。つまり民主主義っていうと、反発する国がやっぱいるんですよ。そう言われて、いろいろ干渉されてきたという経験がある途上国が多いので。日本は、それを言ってこなかったので、そういう意味では日本は今の状況にはけっこう適している議長国であると思います。
本名アナ
岸田さんが、聞く力を大いに発揮すべきときでもあります。この広島の地でまもなくG7が開催されます。あらためまして、その意義というものを市民としてどう受け止めますか?
広島市立大学 国際学部 武田悠 准教授
やっぱり広島っていうものが持つ影響力というか、どのくらい、各国のリーダーにインパクトを与えるかっていうのをみなさんにもぜひ見てもらいたいと思います。
やっぱり原爆資料館もそうですし、広島市全体もそうですけど、一度、原爆が投下された街が、ここまで復興したということを実際に見て、何を感じるのかっていうのは、記者会見ですとか、いろんな声明ですとか、いろんなところでみなさん、ご覧になる機会があると思うので、それを見て、広島っていうのがどういう影響を国際的に与えられるのかっていうのを今一度、みなさんにも見てほしいなというふうに思いました。
(RCCラジオ「おはようラジオ50周年企画 G7広島サミット直前スペシャル 広島の声」5月14日(日)放送より)