広島市立大学 国際学部 武田悠 准教授
まだ調整中というニュースが出ていて、やっぱり難しいんだと思います。どこまで見るか。(原爆資料館に)行くとして、展示のどこまで見るのか。これは、それぞれの国の中でも報道されるので、自分の国の首脳が何を言うのかっていうのは、それぞれの国の国民も見ていますから。なかなか難しいんだろうなとは思います。

本名正憲 アナウンサー
1つには、核を保有することは国是みたいな位置づけじゃないですか、保有国としては。

武田悠 准教授
そうですね。すぐ減らすということは、おそらく言えないんだと思います。

本名アナ
やっぱり見て感じてほしい。やっぱり、それがなくなることに関しては、もう異論はないと思うんです。持っている側も。

武田悠 准教授
最終的には、はい。そうですよね。

本名アナ
そこに期待したい。時間はかかるけども一歩にしたいという思いはわたしもあります。議題に関して核は大きなテーマですけど、ほかにはどういったところに注目されますか。

武田悠 准教授
中国の問題ですね。核に限らず、外部に対して敵対的な行動に出たりということが目立っているので、どういうふうに対応したらいいのかっていうのは、やっぱり、ほかの国、ヨーロッパ、あとはアメリカ・カナダですね。日本という中国の隣りの国でサミットをやるからには、やっぱり中国の問題について何を話すのかなというところは1つ、広島サミットの重要な課題になってくると思います。

本名アナ
あと、AIがどうのって。たとえばチャットGPT(ChatGPT)を目にしない日がないですね、最近。

武田悠 准教授
これもヨーロッパとアメリカ・日本で立場が割れているわけです。ヨーロッパは、かなり強く規制をかけるっていうふうに言っていて、アメリカは活用するという方向に行っている。もちろん首脳会合なので、細かなことは話はできないわけです。
基本的な方向性を示すとか、もしくは先進国はこの問題についてちゃんとみんなで考えて共同歩調を取りますよということを示すのが、このサミットの一番重要なことになると思います。

本名アナ
事前にG7閣僚会合というのは、ずっと積み重ねられてきていて、宮城・仙台で科学技術大臣会合、富山・石川で教育大臣会合、長崎で保健大臣会合。さらにサミットが終わった後も閣僚会合は続くんですね。

武田悠 准教授
そうなんですよ。1年間かけてやるんです。

本名アナ
サミットに関係閣僚会合の話を反映させると、よく言われますけども、サミット終わった後の会合は反映されなくなっちゃう?

武田悠 准教授
サミットは、ずっと1975年から続いてきたわけです。来年もやる予定だと、一連のプロセスなわけです。一度で終わりではないし、広島で終わりでもない。広島サミットの後にいろんなところで会合をやりますけれども、これを踏まえて、例えば来年のサミットに向けて何をするかということを考えていくっていう感じで、次にバトンタッチをしていくわけです。サミットは、1年を通じてずっとやっている。その中のメインイベントは、まさに広島でやる首脳会合なんですが、それ以外にも1年間かけてずっといろんなことやっているし、首脳も昨年は何回もビデオ会議なんかをやっていましたから、そういう形でどんどん緊密にG7サミット間の協議は行われていると。

本名アナ
外交というものの大切さ、それから難しさっていうもの、いろいろと話が出てきて、これをしたから解決するというものでもないけれども、これを1ミリ、一歩動かすっていうことが大事なんだと、ぼく、思うんですよね。

武田悠 准教授
相手のいる話なので、あまり性急に何か要求を出したりすると、逆効果になってしまうのはよくあることなんです。我慢強くやるしかない。10年・20年経ってから広島サミットが、あれの転換点だったかなということはけっこうある。ただ、その中にいる人にはわからないっていうのは、よくあることです。