「ぜひ近鉄電車でお帰り下さい」

大事なホストゲーム最終戦での劇的勝利。冒頭の言葉で本音を語った野中翔平主将は「リーグONEになって、選手としての準備という点では、そんなに大きく変わらない。ただ、チームや会社の方は、本当に一生懸命取り組んでくださっている。地元の方からも、心から応援していただいている。だからこそ、僕たちは期待に応えなければいけない。やっぱり花園の雰囲気は、最高でした」とコメント。そして、ホストゲーム最終戦のセレモニーが終了、観客に向かって深く頭をさげたあと、こう締めくくった。

「本日は、寒い中ありがとうございました。この後は、気をつけて、ぜひ近鉄電車でお帰り下さい」

チームスローガン“近鉄漢-KINTETSU MAN-”

チームスローガンでもある“近鉄漢”には、こんな意味がこめられている。

『会社やチームを代表して、人や社会から愛され、尊敬され、憧れられ、信頼され、誇りに思われ、地域社会やラグビー界に貢献できる存在になること』

リーグ戦を2位で通過した花園近鉄ライナーズは、上位3チームによる順位決定戦に進出。3位の三重ホンダヒートに続いて、リーグ戦では苦杯をなめていた三菱重工相模原ダイナボアーズも撃破して、見事2連勝。来シーズンのディヴィジョン1昇格を手にした。

歴史と伝統を受け継ぎながらも、新しく生まれ変わった花園近鉄ライナーズ。リーグONEが目指す会社の誇りという存在意義を残しながら、地域社会にも愛されるチーム。“近鉄漢“の名のもと、ファン・チーム・企業・地域が一つになって、リーグ最高峰の舞台で、暴れまわる姿を期待せずにはいられない。

MBS制作スポーツ局 宮前徳弘