被選挙権は社会的経験に基づく“思慮と分別”を踏まえて25歳に設定された
若者はいまだかつてない程に被選挙権年齢の引き下げを望んでいる。
『若者政策推進議連』では、被選挙権年齢を18歳に引き下げ、供託金を大幅に下げることで立候補のハードルを下げる提案をしている。にもかかわらず一向に変更される気配すらない。
何故か?
松野官房長官は、被選挙権が25歳である理由を聞かれ、こう答えている。「社会的経験に基づく“思慮と分別”を踏まえて設定されていると説明されてきた」つまり、政治家の世界では25歳にならないと“思慮と分別”がつかないと考えられてきたようだ。理由はともあれ政治を若い世代に開放することを良しとしない勢力が一定数あるのではないだろうか?
政治ジャーナリスト 田﨑史郎氏
「政党に限らず現状のままが(現職にとって)楽なんです。しかし、政治家はみんな若い人の投票率を上げなきゃいかんって言うんです。若い人が選挙に行くには若い人が選挙に出なきゃダメなんですよ。それはわかっているけれど踏ん切りがつかいんですよ」
引き下げたほうがいいとは思うけど、それほど世間のムードもメディアの扱いも大きな問題にしてこなかったのが、制度が変わらない一番の原因だと田崎氏は言う。ベテラン議員が既得権益を守るために若い世代の進出を好まないのではないかと邪推してしまうが、田崎氏によればそれはないという。
政治ジャーナリスト 田﨑史郎氏
「自民党議員を取材すると被選挙権年齢を下げるのに賛成する議員が多い。これはやったほうがいいんだよねとか反対する理由がないとか…やらなきゃいけない問題だともいうんですよ。そうならば必要なことをやっていないという政治の不作為です。問題があるのに気付いているのに何もやっていない、それが問題」
ただ現実問題として日本の政治の現場は”高齢至上主義“”男性至上主義“だ。例えば、全国の市議会議員、総数18600人。そのほとんどが60代を中心として50代から70代。20代は全国で67人だ。わずか0.4%だ。このうち女性は11人だった。
ある市議会を取材して、現職の意識を聞いた。