80歳「僕の場所を誰かに譲ります、ということはない」

統一地方選を経て市議会議員の平均年齢が初めて60歳を超えた日本。取材した埼玉県北本市議会の議員平均年齢も約60歳だ。最年長の工藤市議80歳は元気一杯に語った。

前議長 工藤日出夫 市議
「若者が加わることは大歓迎です。(被選挙権18歳に引き下げも賛成。ただ)生意気な言い方かもしれないが、工藤日出夫の前に工藤日出夫無し、工藤日出夫の後に工藤日出夫無し、でここまで来てますから後継者とかほとんど評価しない。『来い、乗り越えていけ』と・・・だから僕の場所を誰かに譲ります、ということはないと思います

また72歳のベテラン野党議員は立候補には一定の条件があってしかるべきと語る。

共産党 中村洋子市議
「やはり社会経験とか、結婚されてどうとか、お子さんができて…とか。責任というところが見えていない時点で理想だけで“こういう社会がいい”と描かれても市民のものにはならない」

とはいえ、北本市では今回の選挙で25歳の市議が誕生した。25歳で当選した永井市議が苦しかった裏事情を明かしてくれた。

無所属新人 永井司 市議
「会社勤めをしていたので立候補を伝えたところ、会社に残るか、辞めて立候補するか、って話になった。立候補することだけでデメリットがあると思います」

現場を取材すれば取材するほど、日本で政治の世界に足を踏み入れるのはいくつもの関門とハードルがあるようだ。
座談会に参加していた“初の女性総理を目指す”17歳の山本さんは、政界も65歳くらいで定年制にしてくれれば若者が増えると思うと訴えていた。しかし、それに対し、人口に比例して議員数を割り当てないと、数多くの人がいる高齢者の意見が取り入れられなくなるので不公平だという若者もいた。若者は真剣だ。田﨑氏が言うように問題なのは、不作為でこの現状にメスを入れない国会なのである。

(BS-TBS 『報道1930』5月3日放送より)