女性議員急増 フランスでは
フランスは女性議員の比率を20年間で4倍近く増やした。
下院にあたる国民議会では、G7先進7か国の中でトップとなっている(IPU調べ)。女性議員の割合は現在38%だが、90年代中頃までは日本と大差はなかった。

パリ市民
「女性の要望が議会で理解されるようになりました。本来そうあるべきです」
「世界は半分男性・半分女性で構成されているので、代表者も半分ずつは当たり前のことです」
女性議員が急増した理由は、各政党に対して男女半数ずつの候補者を義務付ける「パリテ法」と呼ばれる法律が制定されたからだ。
下院の場合、各党の男女の候補者の人数差が2%以上になると政党助成金が減らされる。男女差が大きくなるほど減額率もあがる仕組みだ。
州に相当する議会の候補者名簿には上から男女の名前が交互に並び、上位から当選者が決まる。男女交互でない名簿は受理されない。

さらに、県議会議員選挙では“男女ペア立候補制度”が採用された。男女一組で立候補し、有権者もペアに対して投票する。
県議選候補者PR動画(2021年6月)
ペア候補「ダイナミックに結束した私たちのペアが、この地区を担当します」
ペア候補「彼女と連携し私たちの町を活性化させます」

2人は2021年当選。こうした制度の運用で県議会の女性比率は50%となった。徹底して女性議員を増やしたフランス。政治学者はその変化についてこう話す。
パリ政治学院 研究員 レジャン・セニャックさん
「初めは議員たちの間で反対意見もありましたが、法律ができ、運用が進むと女性議員の数が増えていきました。そして差別も減っていきました。議会だけではなく、職場や一般の生活でも男女平等が促されています」