■目線を上げて建物を見てみよう

今回案内をしてくれた加藤さんは実は建築家なんです。ということで、道沿いの建物の見どころを少し紹介してもらいました。

街を歩くときに目線がショーウィンドウなどに行ってしまいがちですが、ちょっと上を見てみると建物の違った側面が見えてくる、といいます。

例えば、こちらはオフィスビルなんですが、4人の屈強な男たちが重いベランダを担いでいます。こんな洒落たデザインも上を見ないと気づかないですよね。古い建物ですが改装を重ねて使用されていて、1階はお店、2階以上はオフィスやレストランが入っているのだそうです。

そして、こちらにはクマが階下を見下ろしています。あちらにもこちらにもクマの顔が。クマはフィンランドの人たちにとって身近な動物で、芸術作品やモニュメントになっていることも多いそうです。

■ジェンダーギャップランキング2位の国フィンランド

男女の格差についてランキングにした「ジェンダーギャップランキング」。2021年のランキングで日本は120位でしたが、フィンランドは2位でした。ランキングからも男女平等が根付いていることがわかりますが、実際にフィンランド暮らし、2人の娘さんの子育てした加藤さんはどう感じているのか聞いてみました。

加藤「フィンランドは子育て支援がとても充実していて、子育てはとても楽だと感じます。教育費は一切かかりませんし(来年度から義務教育は18歳までに延長)。こちらでは、男女の区別なく学校を出たら職業に就くことがごくごく当たり前です。夫婦で家事・育児をすることはごく当然なことで、分担という発想すらありません」

そして、フィンランドといえば2019年に世界最年少の34歳で就任したサンナ・マリン首相が注目を集めましたが彼女の影響については。

加藤「フィンランドの義務教育が18歳までに引き上げられましたが、こういったことにマリン首相の影響は大きいと思います。若いですから、首相自身も子育て世代なわけです。ですから、実際に自分たちが直面する問題に真剣にあたっているわけです。

サンナ・マリン首相

西村「きれいな方だから、そこに目が行くということがあるんですが、見かけとは別に本当に芯の強さがある、という市民の声も多く聞きました」