■さすがフィンランド 野生生物を食べる文化を感じます
お隣には缶詰がずらりと並んでいます。

缶に貼られた写真を見ると「クマ」「ヘラジカ」「トナカイ」。これらは野生動物の肉を缶詰にしたものです。加藤さんによると、「ヘラジカやトナカイの肉は日本でシカの肉を食べた方がいらっしゃったら、それと同じような味ですね。脂身が少なくてわりとパサパサした感じの肉です。ヘラジカはちょっと臭みがあるという人もいます」とのことでした。
そして、他の売り場には生のトナカイの肉も売られていました。少し黒みがかった色が特徴です。トナカイのソーセージやハムなどの加工肉もあります。

■世論も変化 少なかったウクライナの旗も増えてきた
オールド・マーケットホールを出て右へ進んで行くと、正面に見えるのがヘルシンキ市庁舎の本館です。フィンランドの国旗が掲げられています。

右にはスウェーデン大使館、そして最高裁判所と重要な建物が並んでいます。
市庁舎の前にはフィンランド国旗とともにウクライナ国旗がたなびいています。

西村「この国旗は昨日はなかったんですが、市内にはウクライナ国旗が日に日に増えてきている感じがします」
加藤「市庁舎という公的な建物の前にウクライナの国旗が立っているということは覚悟が感じられると思います」
西村「これまで伝統的にフィンランドはロシアとの関係で中立を保ってきたんですが、ロシアのウクライナへの侵攻で大きく状況が変わりました。市内にウクライナの国旗が少なかったというのも、ロシアを刺激したくないという国民感情があると聞いたことがあるんですけれども」
加藤「かつてフィンランドはソ連の時代にソ連に攻め込まれたことがあります。ですから、フィンランドのほとんどの人は今回のウクライナのことを80数年前に自分たちが受けた侵攻と重ね合わせている。まったく同じことが起きているというような感情を持っています。非常にウクライナに対して同情的な感情を持っています」
西村「フィンランドのNATOの加盟申請について反対という人が多かったが、ウクライナへの侵攻以降大きく流れが変わったんですよね」
加藤「侵攻以前は加盟に賛成する人が28%だったが、現在は60%を超えています。これまで中立だったフィンランドですが、中立が必ずしも安全ではないということをひしひしと感じているんだと思います」