「沖縄の人間が笑うのは、心の奥底でそう思っているから」

持ち味を生かしながらいかに表現を守るか。近年ではコロナ禍もあって、苦悩した。

“まーちゃん”
「こういうネタやっちゃいかんとか、表現の幅が狭まっている感じもするし。捨ててるものとか自主規制してるものとかかなり多いと思うんで、沖縄で芸人やる以上、その辺のところを捨てずに抗えたらなと思っています」

作業部屋のアパートの一室で日々ネタ帳に向き合う。去年のノートにこんな記述があった。

『本土復帰50年。今、沖縄は何%日本になった』

その都度感じたことなどを記した18年分のネタ帳から、今、表現すべきネタを選び、脚本にしていく。特別公演で目指したのは「共感性」だった。

いかに客席に言葉を届けるか。特別公演を前にメンバーに伝えたのは、素直に感情をぶつけることだ。

“まーちゃん”
「間は感情が正しければ、すべて正しい間だから。セリフの速度とか、自分が言うこととか」

冒頭で伝えたのは、復帰50年の沖縄にさらに負担が増えた現状だ。本土からの観光客を相手にした、「キッチンカー」。

<コント「キッチンカー」>

「沖縄の米軍基地買ってってくださいよー。今だったらサービスしますよ。那覇軍港を買っていただきますと、何でか知らんけどしょっちゅう着陸するオスプレイもおつけしますよ!」
「要らないです!」
「こちらもメニューになっておりまして、那覇駐屯地が8000億円、宮古島駐屯地が7000億円、与那国駐屯地が3000億円、現在建設中の石垣島駐屯地が5000億円となっております。お願いしますよ、自衛隊の基地買ってって下さいよ、沖縄に最近作りすぎなんですよー」

“まーちゃん”
「沖縄の人間が笑うのは、心の奥底でそう思っているということだからね、爆笑しちゃうっていうのは。復帰して50年経ってるけど変わってます?だから敢えて僕は自衛隊のことも入れたんです。自衛隊基地が増え続けてることも。バランスの悪さ、ていうことを客観的に見てほしいってことですかね」