「戦争を起こしたのも基地を作ったのも人間」基地問題は身近なテーマ
お笑い米軍基地は、学校に招かれる機会が多くなった。学校側も、基地問題はもっと身近なテーマであることを気づかせたいと考え、実現した公演だった。
<コント「歌のお兄さん」>
「♪ヘリコプター飛んだ、沖国まで飛んだ。沖国まで飛んで、校舎のそばに落ちた」
別の高校では、コントを動画で視聴し理解を深めた。そして生の舞台で演じられたのは、17年前に作ったコントだった。

<コント「ニッポンコク拳法」>
「長きにわたり守り続けて来た一子相伝のニッポンコク拳法を継承する日が来たようじゃ」
継承者に名乗りを挙げたのは二人の息子。
「このニッポンコク拳法も、もはや時代遅れ。このままでは隣の中国道場や北朝鮮道場に潰されてしまう」
「そんなことはなーい、ニッポンコク拳法は史上最強の拳法だーい」
「体でわからせてやる」
「望むところだ」
「あれを持ってこい」
「兄さん、ニッポンコク拳法は決して武器を使わない拳法のはず」
「武器を使わぬ拳法など拳法にあらず。これぞ新ニッポンコク拳法。さあ、けんしろう、かかってこい」
「くそー。ニッポンコク拳法って専守防衛なわけ。自分から攻撃を仕掛けることができないわけさ。だから兄さんから攻撃してきて」
「そんなこと言ったら、こっちの新ニッポンコク拳法も一応は専守防衛だから、けんしろうからパンチしてこないと」
どちらから攻撃するかでもめだすと、突然登場したのが…
「うちの道場の一角を間借りしてるアメリカさんじゃないですか」
「やかましくてゆっくり眠れんぞ」
「すみません、うちの若い者がワーワー言いまして。きょうのところはこれで(金を渡す)」
「世界で一番正しいことをしてるのは誰か」
「それはアメリカさんでございます」
「そう!わかれば上等。またお金なくなったら来るさーな」
日本は、専守防衛の逸脱が懸念される敵基地攻撃のために、アメリカからトマホークミサイル400発の購入を決めた。17年前のコントは、より現実感を増した。
“まーちゃん”
「見てもらったものをみんなの記憶と心に少しとげのように刺しながら、5年後、10年後、みんなが社会に出た時に、見た状況がどう見えるのかということは、すごく重要かな」

生徒
「過去にあったものを未来に起こるかもしれないっていうのを伝えてくれてるので、それを防ぐことも僕たちが担っているので」
「基地はあるものだというくらいでしかなかった。なくなればいいけど、もとからあるものだから違和感なかった。自分からも調べてやってみよう、当事者として主体的に」
その生徒たちの気づきに、まーちゃんは嬉しそうだった。

“まーちゃん”
「戦争を起こしたのも人間、基地を作ったのも人間、って考えると、絶対的に人間であるという共通点があると思う、自分と。すべて人間であれば、みんなに共通することだよって言うのを見せられるか、興味を持たせられるかっていうのも、最近は心がけてますけど・・・(戦闘機の轟音)。コントで創り出している音以上だからね。コントで大げさにしてるつもりなのに、大げさにしてる以上のものが。やっぱ沖縄で起きてることはコメディですよ」